トリケラが自分の研究室を持ってはや3年。ラボにいる人たちの交流のために、たまにはラボパーティーを開かなくてはならないとわかっていても、「僕は社交が苦手。みんなもサイエンスオタクで社交が得意ではなさそう」だとか「妻がウツだからってことで、先送りにしちゃおう」とサボってきた。ようやく機が熟したので、我が家で初のラボパーティーとなった。

ラボの人のほかに配偶者、家族、彼氏彼女も招待したので、参加者はウチの家族を含めて19人。アメリカ的パーティー仕様の家ではないので、どうやってその人数を収容したものかと頭を抱えた。広い庭でバーベキューという典型的なパーティーができれば、お客さんは立ったまま、オトウサンがバーベキューを担当するのでオカアサンは食材を準備しておけばいい、ってな感じで簡単らしいんだけどね。リビングルームをお客様をお迎えできる状態にしなくてはというプレッシャーを感じつつも、夏休みに入った娘たちのプレイデイトの手配に送り迎えだとか、ティラノのサマーキャンプ関連などに振り回されて、全然はかどらなかった。うえーん。

さて当日。今までに会ったことのない”ガイジンさん”を自宅でもてなさなくてはならないというシチュエーションに緊張しまくっていたんだけど、会が終わる頃にはみなさんと少しだけ親しくなれていい気分になっていた。好き好んでトリケラの研究室を選んだ人たちなので、一般のアメリカの人とは少し層が違っているわけだ。真面目で人柄よく、外国から来ていて、それに心なしか小柄?わたしの知るトリケラは、ドジでおっちょこちょい、結婚式の祝辞の中に「研究室のビーカーを壊さないでください」という言葉があったほど。こういう人をボスにもって、ラボの人たちは一体どう思っているんだろうという疑問があったので、何人かの人に質問してみた。最初に、唯一目上の方でテクニシャンの女性に声をかけたら、「とても仕事しやすい。トリケラは他の人と違って忍耐強いから」という返事だったので驚いた。他の学生さんやポスドクの人も同様の意見で、「トリケラは辛抱強く指導してくれて優しいので、学生からは人気がある」のだそうだ。いつもコーヒーを飲んでいるから歯はアメリカ人好みの純白ではないし、背中が丸く姿勢が悪いし、日本語訛りの英語は聞き取りづらいしで、妻の立場からはトリケラはこれでいいのだろうかと心配になる。やっているサイエンスの心配はしたことないけど(何をやっているのかわかっていないのにこういうのも変かもしれないけど)。それにしても、若い人から好かれて尊敬されているトリケラを見て、なんか感動した。研究室のみなさん、若くてピチピチしていて、自分の可能性を信じていて、がんばっていて、とってもかわいい。トリケラ研、ほんわかして愛くるしい研究室だ。