震度0 朝、目が覚めたら、トリケラがいないことに気づいた。普段、わたしが夜9時になると子供と一緒に就寝してしまうのに対し、トリケラは夜11時の帰宅は”早帰り”と思うほど夜は遅いので、平日は家族と夜に顔を合わせることはない。だから、朝になって大人一人分の布団が空になっているのを見てはじめて「あれ?」と思うわけ。しっかりと覚醒するまでの間、「論文などの書き仕事は終わったと言っていた気がするけど、別室のパソコンに向かって仕事をしているか、ソファーで寝入ったのどちらかかな?」などとぼんやりと考えた。
 昨日、父が日本から送ってくれた本、雑誌がたくさん届いた(多謝!)。『震度0』は最近おもしろく読んでいる横山秀夫の本だ。今朝は学校が1時間半遅れではじまる特殊なスケジュールで、朝あわただしく起きなくてもいいのを幸いに、夫の行方不明をさして心配することもなく『震度0』のページをめくりだした。
 冒頭、関西で震度6の大地震が起きた朝の、警察の幹部の様子が描かれている。”異常な朝”か。うーん、うちの夫も家に帰っていない。これも異常だ。そうか、いわゆる「朝帰り」か・・・。小説の「この先、思いもよらないスゴイ展開が待っているぞ〜」という雰囲気が、わたしの現実の生活もタダナラナイように思わせる。いつも深夜まで実験やらデータ解析やら論文書きやらをする仕事だ、夜顔を合わせないのは日常だけど、朝いないとなるとやはり異常。とうとう夫の浮気を理由に離婚、晴れて堂々と子供を連れて日本に帰国する時が来たか!日本に持って帰る荷物が多くて大変だなー、引越ししたばかりだけどまた荷造りしなくちゃ、日本に帰るのだから子供の日本語の本はなるべく寄付しよう、などなど帰国の算段が頭を駆け巡る。
 ゆっくり目な朝とはいってもそろそろ朝食の支度をしなくてはという時間になって起きだし、本当に夫は家に帰っていないのかと、パソコンのある2階やソファーを点検。あれまあ、本当にいない。どうなってるの???
 留守電にメッセージが入っているのに気づいて、録音を再生してみると、「鍵をオフィスに置き忘れたまま施錠してしまった。家に帰れないので、今夜はここに泊まる」とな。"Oh, that's very Ryohei!"(昔の同僚の名台詞。「またアンタのおっちょこちょいがでた!」というような意味。)ウワキ=リコン=帰国じゃなくてがっかり。・・・じゃなくて、安心した(笑)。




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