補習校の後、午後2時からスコミムスのバイオリンのグループレッスン。補習校の放課後に、別の鈴木バイオリンの先生に習っている御友達のお母さんと顔をあわせ、今度ダーラムでスコミムスの先生主催で開かれるコンサートに参加されるかどうかを聞いてみた。その方の先生は生徒に案内すらされていない様子だ。去年はあちらの先生主催のコンサートがあったのに、スコミムスの先生はそれを私たちには知らせていなかった。「ん?」スズキの先生の中で派閥みたいなのがあるのかもね、なにしろおばさん達のやることだから、なんて結論に達して補習校を去った。
のらりくらりとしたグループレッスンの後半にちょっとした休憩時間。先生が用意したスナックと、他のおかあさんが差し入れしてくれたカップケーキで小パーティーアメリカの習い事ってこういうおやつがついてくるけど、こんなの必要なんだろうか)。最後に「ぼくも弾きたい」と飛び入り参加したティラノをふくめて、12月の発表会でグループで演奏される予定の、スズキのレパートリーでない、イギリスの古いコーラスみたいな曲をちょこっと練習。
帰宅してからもスコミムスがバイオリンで最新の曲、マカベウスの合唱を練習。ついで、ティラノがピアノで譜読みの練習。これまでバイオリンを弾くだけで、楽典を全然やってきていないティラノが、彼の先生ヨーラムの要求にこたえるのがつらくなってきているのでちょっと補強しないと、というわけ。わたしはピアノでおへその前にくるCの音を聴くと、「ド」に聞こえる人だ。シャープやフラットが少ない調だったら、大体音は当てられる。(ピアノで黒鍵が増えてくるとわからなくなってしまう。絶対音感があるわけではないのと、大学時代にA=415Hzという世界もあることを知って、440Hzとか442Hzに慣れている人からすると半音ほど低く聞こえる音楽に慣れていることも少しは関係あるかな。)わたしは5歳頃にピアノを習った経験があるけど、ティラノとスコミムスは初めからバイオリン。「バイオリンを弾いて、この音は何の音だ?」と聞くと、「A線の3(の指の音)」という答えが返って来て、求めている「D」とはなかなか言ってくれない(ちなみにわたしには「レ」に聞こえる)。ヨーラムはティラノがポジション移動の練習をするときに、ファーストポジションの1からサードポジションの1に移動するときに、耳で”この音からこの音へ”とやるのではなく、「F#からAへ、ということを意識せよ」という。しまったなぁ、子供たちが耳で聴いた音に名前がついていることがわからなくて、それを訓練しないといけないっていう認識がなかった。習っているうちに、自然に身についているんだと思っていたよ。
そういうわけで、ティラノには、生前母が日本から送ってくれていたバイエルを弾かせ、ドレミファではなく、ABCで音の名前を言うようにさせた。「D」とか「C」とかとお兄ちゃんが言うのをみて、アルファベットを少し意識しはじめているグイが興味をそそられたらしく、特訓をしているわたしとティラノのところに乱入。グイはピアノを弾きたくても、まだ音楽的なものは何も弾けないのでひたすら雑音をだして練習を妨害する。わたしはティラノのほうに必死なので全身でわたしの拘束をのがれようとするグイを、全力で抱きしめて鍵盤に触らせないようにした。よっぽど弾けるようになりたいのだろう、とうとう諦めて脱力して泣き出したグイの顔ったら、もう本当に悲しく、悔しそうだった。
バイオリンでも、ティラノに買ってやった1/16の楽器がまだとっておいてある。母親と兄姉がそろって弾いていると、自分も参加したくてしょうがない。弓の毛がはげっちょろけなのもあるけど、ともかく弾き方をわかっていないので、グイに楽器を持たせても、彼女の心の中にある音楽は表には出てこない。だからと〜っても悔しい思いをしている。3才だし、そろそろ先生を探してあげようと思っている。