十何年も前のこと。わたしはCDだか楽譜だかを探しに、銀座の坂道を歩いていた。わたしの前を歩いていたのは、モスグリーンのトートバッグ(通称ずたぶくろ)を肩からぶら下げた、背中の丸い”小猿ちゃん”。「なんだか、この人と一生ずっと同じ道を歩くような気がする」と思った。その人は「ぼくの夢はミイラになること」(もっと詳しく言うと「ミイラになって、何千年も後の人類から発見されて、その人たちを驚かせてみたい」)、「タイムマシンを作るぞ」とか「ぼくはノーベル賞をとる」とか言っていた。”ノーベル賞をとる”なんて小学生じゃあるまいし、と思ったもんだ。でもそんな風変わりな人に惚れてしまったのよ。
もちっと若い時は「アタシは男を見る目があったのよ、フフン」と思ったけど、今は「私の選んだ人がとっても魅力的な人だってことは、幸運で恵まれていて有り難いことだ」って思う。おめでとう、ダーリン(id:ryasuda:20070202)。