トリケラのいない朝。やば、目が覚めたのが7時。食事の支度、弁当の用意、アレルギーの投薬、グイの世話などに加え、昨夜、学校に提出しなくてはならない欠席届を書きかけのまま寝てしまったのでそれを完成させないと。ティラノは声を掛けたらその後は自分で起きて着替えてくれるけれども、スコミムスの低血圧は手ごわい。起きるまで呼んでいると、食事の支度がストップしてしまうので、とりあえず、もう少し寝かせてから起こすことに。朝食の支度が整ってもスコミムスが起きないので、ティラノに二階に上がったついでに「おきろー」って一言こえ掛けてと頼んだ。そしたら、ノッシノッシと階段をおりてくる重い音が聞こえてくる。「ククッ」といううめき声。なんとティラノがお父さん代わりを意識してか、まだ半分眠っているスコミムスを背中に背負っておりてきてくれた。こういうときのティラノは本当に健気で、しかも役に立つ。

 こども3人食卓につかせて、わたしは弁当作りに欠席届記入。目の覚めてきたスコミムスはティラノとのおしゃべりに夢中。「早く食べて」と何度もいうけど、はかどらない。そうこうするうちに、もう家を出ないといけない時間。あぎゃー、スコミムス、まだ寝巻きのまま!走って二階にあがってスコミムスの着替えを用意し、「早くこれに着替えて!」スコミムスがのろのろ自分で寝巻きを脱ぐ間に、これまた寝巻きのグイに全身を追おうタイプの防寒着を着せる。「ティラノ、スコミムスのくつ探してきて!きのうグイが台所で履いて遊んでいたから!」「はい!」って感じで全員でフル回転。グイもしっかりみなの緊張感を受け止めて、おりこうに上着を着せられていた。こういうときは遠くに遊びにいっちゃったりしないで、ちゃんと玄関にいてくれる。のんびりさんのスコミムスも、今日は彼女にしてはさっさと寝巻きを脱いで、着替えをしてくれた。

 4人で車に乗って、1分後に学校に到着。車から降りると、遅刻しちゃいけないってんで、あせってティラノとスコミムスが駆け出した。そこを校長先生に「走らないで」と注意された。集合場所の多目的ホールにちかづくと、もう子供たちは学校のほうに気がいっていて、「いってきます」とも言わないし、わたしのほうを振り返ったりもしない。ちょっち、さびしいよね。

 そうしてようやくグイに目がいく。眠たそうにぼんやりしていて、かわいい。あなたもこの騒動にふりまわされて大変ね。二人でご飯食べたら、一緒に寝ちゃおうかな。