「りっく」

 「りっく」lickは舐めるという意味の動詞です。ネイティブからするととても基本的な単語でしょうけれども、わたしはアメリカに来るまで知りませんでした。この単語を知ったのは、アメリカに来て初めてのクリスマスのこと。夫の上司の両親の家に招待され、ベルという名の黒い大きな犬の歓迎を受けました。当時1歳だった長女は、犬に手を舐められて怖がったのですが、これを見た家人が「ほにゃらら、ほにゃららね」と言ったのです。”赤ちゃんが舐められたのを嫌がっているわね”というような意味だったはずですが、わたしには聞き取れなかったので、「は?」という顔をしていたのでしょう。"Lick, lick."と繰り返し、それでもその単語を知らないわたしがなおもポカンとしていたので、彼女はベロを出して手をペロペロと舐める仕草をしてくれました。
 教育テレビの子供向けの英語の番組で、たしかエリックさんという人が英語の表現を歌にして教えてくれるコーナーがありました。ある時このコーナーでlickが取り上げられ、"lick a lollipop"だけを連呼する歌をエリックさんと子供達が歌いつづけていたのが印象的です。