スコミムスのESL(English as a Second Language)の元クラスメートのユゲーヴのお家にお邪魔した。ユゲーヴは昨年度のおしまいの頃にイスラエルからやってきた。来たときにキンダーガーテンの学年で、今年は一年生になるはずが、ESLの先生の意向でもう一度キンダーガーテンをやることになった。そういう事情で、本当は一学年上のはずの彼がスコミムスとESLのクラスを共にしていた。ところが、キンダーガーテンのプログラムは彼には優しすぎるので、結局、本来の一年生のクラスに戻らされたので、今はスコミムスとはもう一緒に授業を受けていない。
 ESLの先生のこの措置について、ユゲーヴのお母さんのカリンがどのように思っているか、そしてユゲーヴが1年生のクラスに途中編入することになって、どうやっているのかに興味があった。案の定、ESLの先生の(わたしが思うに)判断ミスのせいで、遅れさせる必要もないのに勉強を遅れさせ、それでいて軌道修正して1年生の勉強に短期間で追いつかなければならないので、発狂してもおかしくないほどの沢山の宿題が出ているらしい。カリンは疑問を感じてESLの先生に相談したそうで、そうしたら先生は「全部はやらなくていいわよ。できるだけやってくれればいいの」という返事をしたとか。ユゲーヴが新しいクラスになじんで友達もでき、学校に行くこと自体を楽しみにしているそうだから、それは救い。
 ESLの生徒の学年の割り当てについては、もっと精密な審査の方法が確立されないと、生徒と家族は余分な苦労をしてしまう。単純な本人のテストの点数だけではなく、母国での事前の英語学習の程度、家庭での英語教育の取り組み、親の英語のレベル、母語と英語との親和性など、もっといろいろな観点を取り入れて考慮してほしいものだ。
 ティラノがキンダーガーテンにいたときの個人面談の日のこと、あるヒスパニックの子の家庭がわたしの前の順番だった。わたしは面談の邪魔になるので、友達に子供たちを預けたけれども、その家族は本人も含めて、大人と7,8人の子供がどどーっと先生の待つ教室に入っていった。先生が「英語がわかりますか」と質問をしたあとにESLの先生が呼ばれていたので、どうやら、そのお母さんが英語を解さないようだった。親が英語が全く話せなくて個人面談にくるってのがアリなんだなぁ、と妙に印象的なシーンだった。
 カリンに言わせると、ヘブライ語と英語はとっても違う言語なので、スペイン語を話す人が英語になじむよりもよっぽど大変なのだそうだ。カリン自身は建築士で教養のある人で、話す英語も(なまりがあるけれども)とても立派なので、イスラエルの人はみんな英語が簡単に話せるのかと思っていた。日本人も勉強に時間をかけているわりに上手に話せないけど、日本語の構造があまりにも英語と違うというのが関係あるかな。