第一日目(4月11日)
(結論を早く知りたい方はこちらをどうぞid:ryasuda:20050414。)
 朝6時15分にリムジンの迎えの予約。前夜にお酒を飲んでおけば夜中に目が覚めてギンギンに冴えると踏んで、旅行の荷物のパッキングが済んでいないのに、ワインを飲んで早々にふとんに入った。グイが体調不良でつきまとうのもかれこれ一週間超。疲れるのでいい加減によくなってほしい。旅行は大丈夫かしら?
 はっと目が覚めると朝4時。あちゃ、思ったよりもたっぷり寝てしまった。ノースキャロライナの天気をチェックしようとパソコンを起動したついでにメールチェックしたら、今まで世話してくれていた不動産エージェントのヴィッキーからの連絡。ヴィッキーのお母さんが脳内出血でホスピスに入ったので、わたしたちを案内することができなくなったとのこと。かわりに同僚のマーサ
http://resource.realtor.com/display/?id=13382818&)を紹介してくれた。が〜ん。お母さんのご病気はとてもお気の毒なことだけれども、自分たちはNYから家を探すために飛行機で飛んでいくので、現実問題、今回の旅行は無意味になってしまうの?と心配。
 ともかくヴィッキーにお見舞いのメールを書いたり、不動産屋さん、モーゲッジブローカーの住所、空港からの道順など現地情報の下調べなどで、あっという間に小一時間ほど経ってしまった。ひいひい言いながら荷造り。運の悪いことに荷造りの音でグイが目を覚ました。あ〜、じゃまだー。泣いて腕にすがるのを無視しつづけたら、諦めてコテンとふとんに入ってくれた。かわいそうだけど、仕方ない。
 すったもんだの挙句にリモとの約束の時間に15分遅れて出発。朝食は空港で軽く食べるつもりだったのに、朝目が覚めてほかにすることがないと子供は「おなかがすいた」という。準備していたアップルジュースを飲ませたら、横向きに設置された椅子にすわって車の振動がふだんと違ったせいか、スコミムスが酔って吐いた。進行方向と逆向きに座っていたトリケラも酔った。(このリムジンはコの字の開いている部分が車の側面に向くように座席が配置されているのだ。)
 いざ空港に到着。あわててチェックイン。時間の余裕がないからと、レストラン街を横目にセキュリティーチェックも済ませた。ゲート前まで来て見ると、「えー、ろくな食べ物売ってないじゃん!」値段が表示されていなかったハムチーズサンドとターキーサンドは、実は高かったけれどもおいしかった。
 飛行機の中でスコミムスが再び吐くということもなく、ローリー・ダーラム国際空港に到着。家族5人では、不動産屋さんが親切にも車に乗せてくれようとしても乗り切れないし、自分で運転して将来の”わが町”に慣れた方がいいので、レンタカーを利用。レンタカー屋さんであてがわれた車はマーキュリーの車。普段トヨタに乗っていて、あまりに運転席の様子が違うので、トリケラは(わたしも)すごく戸惑った。サイドブレーキがない!ギアはどこ?どこに表示されているの?ダッシュボードを探してもマニュアル見つからず。最後に諦めて店の人に教えてもらった。
 到着後最初の訪問先はモーゲッジブローカーのスティー
http://www.integratedmortgage.net/plan_wingerter.html)。今まで主にメールでやりとりしてきて、プリアプルーバルまで世話してもらっていた。わたしがずっとスティーブとコンタクトをとっていたので、コミュニケーション不足のトリケラがスティーブと話をするいい機会。せいぜい15分くらい話す程度に考えていたら、それが全然ちがっていて、ものすごく長い時間をとってスティーブは細かいことをいろいろと説明したり、我が家の家計にあわせて数字を出してくれたりした。とっても有益な時間だったのはいいけど、次には昼食を採った上で午後1時半に不動産屋さんに行かなくてはならないのに、話し合いが終わったのが1時半。ともかく連絡をいれてみよう。
 スティーブの電話を借りてマーサに状況を伝えたら、「遅れるのは構わないけれども、わたしは4時半に他の予約が入っているから、それまでしかつきあえないから。」ありゃ、なんか冷たい感じ。他人の仕事がおっかぶさってきてメイワクってわけ?うわー、今回は来なかったほうがよかったのかしらん?
 下調べしていた不動産屋さん近くの和食店Sushi-Yoshiに道に迷いながらも何とか到着したら、3分前に閉店したばかりだった。が〜〜ん!どうしよう!お昼を食べずに不動産屋へなんて行かれないと思って周囲を見渡したら、ハーディーズというファストフードっぽい店舗がSushi-Yoshiの目の前に。慌ててハンバーグにがっついたけれどもそれでも時間が押せ押せ。私たちは物件めぐりの時間が限られているし、トリケラは3時からデューク大学で大学院生の論文指導のミーティングが待っているってのに!
 かなりハチャメチャどん底な気分で不動産屋さんThe Home Team(http://www.home-team.com/)に駆け込んだ。もうデュークに間に合わなそうな時間になっていた。お世話してくださるマーサにハローだけ行って、デュークへの道のりをマップクエストで調べてもらって、トリケラは慣れないでっかいマーキュリーの車に飛び乗った。
 残されたわたしたちはマーサの4時半のアポに差し障りのない、ごく近所の2軒をとりあえず見てみることにした。この2軒はたまたま同じ区画で隣同士になっている物件。Slab Foundationといって、固い地盤をあまりほりさげることをせずにコンクリートを流し込んだだけの基礎。配線配管がそのコンクリートの下になってしまって、そこで問題が起きたときに修理のしようがないというシロモノで、わたしは自分ではそういう家は買いたくないと思っていた。だから、ピンチヒッターのマーサは、とりあえず遠くからわざわざ来たわたしたちに申し訳程度に付き合う、わたしたちのほうも、買う気は全然ないのにマーサの顔を立ててのぞいてみる、というみじめな感じの訪問になった。
 二件のうちの小さい方(約1300スクエアフィート)を最初に見た。ここはまだオーナーが住んでいて、生活がそのまんまそこにある、といった感じ。小さい赤ちゃんが一人いるだけの家族らしかった。「これじゃあ、うちには小さいね」と言って、あっさりと隣の物件へ。次は約1600スクエアフィートの家。やはりスラブの基礎だし、庭がほとんどないのでそこに住みたい感じではなかったけれども1600くらいあれば、ニーズが満たされるという感触だけはつかむことができた。
 さっと2件見たところで、もうマーサが次のスケジュールのためにオフィスに戻らなくてはならない時間。その前にわたしたちの滞在するホテルに送ってもらった。翌朝10時にマーサのオフィスで会う約束をして初日終了。
 こんな夕方早くに解放されて時間がもったいないな、仕方ないから子供たちをお風呂にいれようかと思ったけれども、なんだか体が重くて何もできない。トリケラが戻ってくるまで休憩時間ってことでいいか。
 トリケラがホテルに合流したのは7時くらいだっただろうか。会議に間に合ったかと尋ねたら、20分も遅刻してしまったとのこと。やはり初めて運転する知らない道で迷ってしまったらしい。新米助教授がそんな遅刻しとったらやばいよね、やっぱり。家族連れで小回りがきかないのは仕方ないけれども、遅刻させてしまって奥チャンとしては、とっても申し訳ないと思ったワノヨ。
 夕食は昼に敗退したSushi-Yoshiに再挑戦するか、とホテルを出たら、あら、ホテルのすぐ隣にKankiの看板が。これは聞いたことがあるぞってんで、そこに入ることにした。Kankiは歓喜だった。チキチンチンと調理器具で音を立てて、肉やエビをぴんぴんと飛ばしたり、卵を鉄板上でクルクルとまわしたり、たまねぎを積み重ねてつくった器状のものに油をそそいで火をつけるなど、多彩なパフォーマンスで楽しませてもらった。鉄板で見事な包丁さばきで一口大に切ってくれたお肉や野菜やエビ、それにチャーハンはとおってもおいしかった。「ジャパニーズキッス」という名前の濃いピンク色のカクテルもおいしかった。
 マーサは他の予約が入ってないということなので、本格的に家族そろって家探しができる二日目に期待しつつ、初日の幕を閉じた。
(明日に続く)