梱包今日終わるかと思っていたら、終わらなかった。
 ティラノの担任のミセスダニカンのお家に誘われていたのは、同行するはずだったアマンダが緊急の盲腸の手術をしたので流れた。犬好きのアマンダのために、Angel of Friendshipと名づけられた、犬を抱いた天使のお人形を買って、銀行への諸手続きのついでにハンチントン病院へ駆けていった。梱包作業を抜け出していったわけだから、本当に走ったわのよ。
 痛みが強いからといって、アマンダの医師はモルヒネを使用していた。普段、明るく元気なアマンダは夢うつつと覚醒の境界線にいるような感じで、目が半分閉じているようなとろんとした表情。グイが中耳炎の治療で鼓膜にチューブを入れる手術をしたときに麻酔を使用したのを思い出した。お母さんのデニースは昨夜病院に泊まったそう。体もそうだけど、感情面でつらそうだった。
 5分ほど病室にいて、もう梱包作業に戻るからと告げると、デニースはこれからシャワーをあびに家に帰るからといって、一緒に病院を出た。彼女は"I'm not gonna say good-bye but..."といってほっぺにキスをしてムギューっとハグしてくれた。そして"Don't make me cry."といって、真っ赤な顔して涙をうっすら浮かべて"Thank you!"といって背中を向けて立ち去った。
 上の二人の子供達は、今日はリプリーのK家に預かっていただいた。Mちゃんと遊べるのも今日で最後。日通の方がお帰りになった後、迎えに行った。すぐに失礼するつもりだったのに、「ちょっとお茶でも」と声をかけてくださったので、お言葉に甘えてあがらせていただいた。もう帰らなくてはと思いつつも、仲良くしていただいたお友達の家は立ち去りがたく、子供達も母親が「もう帰る、もう帰る」といいながらもすぐにソファを立てないでいるのがわかっているので、目の前で走り回ったり、だるまさんが転んだをはじめてみたり。
 6時も過ぎたし、もういい加減に行かないとという雰囲気になったところで、Mちゃんから子供達へ、Sさんからわたしへ、すてきなカードをいただいた。わたしはこどもをお願いするばかりでろくなお礼も準備していなかった。ローレルのRさんはNJへ引越されたときに、プレゼントとカードをくださった。これって駐在員のみなさんのカルチャーなのかしら。わたしは何のプレゼントも用意していなかったけれども、むこうからお手紙書くからねー!