セミ

hiico2005-09-08

 庭いじりをしていると、本当にセミちゃんとよく出会う。今日のもスペシャル。子供たちが学校から帰ってきた時間だから、午後の3時のこと。ティラノが「おかあさん、見て。かわいそう!」というので、彼がしゃがみこんでいるところをよく見ると、セミが羽化の最中。ゆっくり出てきているので、殻から半身をさらしたまま硬直しているようなセミが、”抜け出てくる最中に死んでしまった”ように見えたらしい。たまたまその場所が、ティラノが掘り返した庭から出てくる粘土で作ったほぼ実物大のリスの像の上だったので、自分が作った像が穴を塞いでしまったので、うまく出てこられなかったのだと誤解している。
 「違うよ、これはいま羽化の途中なんだよ。動きがおそいだけ。時間をかけて羽を乾かすんだよ」といって、わたしはあわてて家の中へカメラをとりに走った。現場に戻ってみると、セミの動きが思いのほか速く、もう全身が殻から出てしまった。早く写真をとらなくちゃーと思っている間にも、しわしわの羽が、まるでビデオの早回しのような速度でのびていった。やっと撮れた写真では、すでにセミの成虫としての形が整っているけれども、まだはねがすきとおっていなくて、おしりがテカテカしているのおわかりいただけるかしらん?
 もう10年も前の新婚時代、月夜の下をトリケラと二人で歩いているときに、どこかのお家の門扉に、やはり殻から抜け出たばかりという様子のセミがいた。あのセミは月夜の光をあびて、蛍光色にほのかに輝いて見えた。生まれたばかり、という感じがして(本当は何年も土の中にいたので、”生まれた”わけではないんだけどね)、とても感動したのを思い出した。今日のセミは昼間に土から出てきてしまったので目撃できたわけだけれども、季節も遅いし、このセミちゃんはちょっとお間抜けなのね。




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