スコミムスにとっては実に半年振りのレッスン。サヴァナが帰った後、大急ぎでヨシカイ先生のお宅へ向かった。初めての道のりなのに、道を間違えるなどの時間のロスがなかったのはラッキー。遅刻したけど、前の人のレッスンが長引いていたので救われた。
 特に何かを言うわけではないけれども、ティラノが厳しいレッスンでビシバシと鍛えられていて、かたや自分は思うように弾けないのをくやしく思っていたのに違いない。本人は無自覚かもしれないけどね。年末にあれだけ他のキッズ(しかも同級生)が上手に弾いているのを目の当たりにしたんだもん、悔しかったらい、寂しかったりしたにちがいない。
 ヨシカイ先生は幼稚園の先生みたいに、こどもに優しく面白おかしく話すのに慣れていらっしゃるご様子。「あなたは曲をよく覚えているし、ちゃんとリズムもできていて、すばらしいバイオリニストだわ!」と誉めながら「でも、ところどころに、直したらもっと良くなれるということがいくつかあるわね」と、改善点を指摘された。「あれがだめー、これもだめー」という親とは調子が違うなぁと感心した。
 楽器のサイズが体に合っておらず、楽器をうまく支えられない肩当てを使用していたために姿勢が崩れているという見解から、スコミムスは1/10サイズを卒業して1/8になった。ぐんにゃりのスコミムスがすっと真っ直ぐに立って楽器を持てるようになった。かっこいいじゃないのよ。「楽器がかわったのを機に、新しい気のつけかたをしましょう」という言い方は、子供を傷つけなくてすばらしいなと思った。帰宅する車の中で、「あたし、バイオリン好きになっちゃった、ウフ♪」とスコミムス。よかった、ウフ♪