時々このブログにコメントをくださるビオラ奏者のびよさん(ご主人はデューク大学の電気工学科の先生)が夏の間にお家を買われた。先日ご新居におじゃまして、インテリアがセンスよくまとめられていて、カタログから抜け出たような素敵なお部屋に感激した。びよさんご夫婦+ご両親で塗られたという壁は、現代的なうすいベージュ系の色。自分もがんばればペンキ塗りができるかも、と勇気付けられた。トリケラの出張が続いたので、留守の間にピアノを置いている部屋の色をかえてサプライズ!しようと、衝動的に作業にとりかかった。
元のコンディションのよい壁なら、単にプライマーを塗って、トップコートの好みの色のペンキを塗るだけでよいけれども、わたしが挑んだ壁は、もとガレージを(何代か?)前の所有者が改造して居住スペースに変えたもので、簡単にいえばいい加減な作り。2階部分の重さを柱がささえきっていなくて、壁にも重圧がかかって壁がゆがんでいるような、そんなお粗末な部屋なのだ。まずペンキを上塗りした壁紙を丸ごとはがし、壁紙をはりつけたノリの後をスポンジをつかって水洗い。これ、何度もバケツの水を新しいのに替えるのと、垂直方向にスポンジを動かすストローク=普段つかっていない筋肉を酷使して、とっても大変だった。水洗いした壁を一晩おいて乾かし、それから釘をうちつけた後や、壁のゆがみなどパテパテして地ならし。パテが乾いてからサンドーペーパーをかける。ペンキを塗ろうと思っているのに、こうした準備におっそろしく時間がかかって、気が遠くなりそうだったよ〜。
いよいよトップコートの色を買うぞってときには、ちょっと心配、でもワクワクってな心境。お店には色のサンプルがたーくさんあって、イメージを具体化してくれる色を特定するのにはかなり時間がかかった。となりでやっぱりアメリカ人女性がいくつものカラーサンプルを並べて「う〜ん」とうなっていた。わけがわからなくなったので店内を散歩して頭を切り替えようと歩きだしたら彼女が目線を合わせてきて「決められないわ〜(笑)」と。
以前にホームインプルーブメントの番組をみていて、ペンキ塗りの作業を開始するときに、出演者がペンキの缶を「これは1000回くらい振らないといけない」と言って、1ガロンの缶をガシャガシャとふざけながら振っていたのを疑問に思っていた。その謎が今回、解けた。色のサンプルの数だけペンキの缶が店内に在庫として置いてあるものと思っていたら、そうじゃなくて、ペンキのベースになるものが置いてあって、客が色を指定したら、最後の仕上げに店員さんが色を調合してくれるのだ。この仕組みを考えた人、頭いい〜!ペンキにもいろいろなタイプがあって、ドアや窓の木枠など、人の手などが触れて汚れやすい場所にむいている、洗えるテカテカした仕上がりのペンキとか、よごれにくい場所に塗る、光を反射せずきれいな壁に見えるペンキとか、用途で使い分けられるようになっている(sheen=光沢というそうな)。どの光沢でどんな色がほしいかを指定したら、店員さんはそれをコンピュータに入力。そうすると、指定の光沢の缶を開けて、そこに絵の具をドロドロドロ〜と入れてくれた。
ちなみに、色のサンプルのカードをお兄さんに渡した瞬間に、カードの色が今まで見ていたのと違う光加減で目に入って、「あれ、あんなに黄色かったっけ!?」と思ったんだけど、「やっぱり、それ、やめます!」と言えなくて、ま、いいか、とそのまま引き取ってきた。家具とか、窓から見える景色とか、他に目に入る要素もあるし、全体を見てみないとわからないし、ってことで。それで、実際に壁に塗ってみたら、やっぱり黄色すぎて、カラシのような、赤ちゃんのウンチみたいな、受け入れられる限界ギリギリのイマイチな色だった。トリケラ曰く「これってnegiさんのキッチンの色みたいじゃない?”これ、どうにかしたい”って嫌がっているアノ色。」え〜ん。もう一段階薄くて、もちっとグリーンかサンドベージュみたいな色がいいんだけど・・・。塗りなおすか、それともこのままいくべきか悩んでいるところ。乾いてきたら、当初ほどいやじゃないんだけど、心底満足って感じじゃないのよね。