ティラノとスコミムスの先生がイスラエルに一時帰国される前の最後のレッスン。先生はたくさん宿題を与えようと、気迫十分。曲の数が増えるわけではなくて、辛抱強く取り組まないといけないようなタイプの、細かい注意がたくさん。レッスンのノートをとる私も、実質的に何の用もないグイは長引くレッスンにへろへろ。
ティラノもスコミムスも体が大きくなって、バイオリンのサイズをそれぞれ一回り大きいのに移行する時期。レッスン帰りにバイオリンショップに立ち寄った。レンタル用のほどほどにチープな楽器でも、やはり箱が大きくなると「お!」と思う音が出る。店主のジェニファーが「ちょっと待ってて」といって、もう一台、レンタル用(400ドル)よりも一ランク上の販売用500ドルの楽器をティラノに弾かせてくれた。あらー、全然違う。第一印象では「お!」と思ったレンタル用が、何と言うか、プラスチックみたいはペラペラな音に聞こえるほど、大人っぽーいすてきな音だ。500ドルの楽器、うちの場合はレンタルの料金の数パーセントが購入購入代金からディスカウントされるそうな。いい音を聴いちゃうと、そっちのほうがいいに決まっているんだよねー。現行のティラノのレンタルがあと1ヶ月で切れるので、そのときまでに次にレンタルにするか購入するかの結論は先延ばしにして、とりあえずチープ君を連れて帰ることにした。チープ君をティラノが弾いたら、やっぱり「お!」と思った。比較の対象が前の小さいバイオリンだからね。ビブラートはまだまだ要領がつかめていないので、いわゆる縮緬ビブラートどころか、力が入りすぎて音が揺れないほど。でもたまにスッと力が抜けたようなときに大人っぽい音が聞こえてきてびっくりしたりする。楽器がかわってエキサイトしたティラノ、メンデルスゾーンのコンチェルトなどの難曲に登頂を試みるも、9合目で転落、それでも嬉しくて仕方ない様子で、ガチャガチャと名曲のメロディを奏でている。
スコミムスは、指の間隔が広くなるのに慣れるのにちょっと時間がかかっている。今までちゃんと弾けていた曲でも、サイズがかわった後では全部の音程が低〜い(笑)。スコミムスのバイオリンは2台試して気に入ったほうを借りてきた。低音がすてきな、大きな音のでるバイオリンだ。スコミムスはスタートがマイペース、レースの最後にググーンと伸びるランナーなので、楽器に馴染んだ後の成長が楽しみ。