『空中ブランコ』

空中ブランコ
ローレルのRさんのご主人が、日本への出張の際に買って来られた本をお借りした。
ミステリーのつもりで読み始めたので、「あれ、これがオチなの?ちょっと軽すぎなのでは?」と思ってしまった。表題作では、言葉での説明に終わってしまっていて、伊良部医師がそれほど魅力的に描けていないという印象だったけれども、全編を読んでみたら、おもしろかった。精神科の医師の伊良部と、様々な症状を訴えて彼の治療を受ける患者たちの話。病気でない人が読む分には「おもしろい」で済むけれども、本当にそれぞれの病気で苦しんでいる人に見せるにはちょっと忍びないかも。これは『インザプール』の続編だということなので、そちらもチャンスがあれば読んでみたいと思う。イン・ザ・プール