スコミムス、ダンスのクラスに10分遅刻した。50分間のクラスだから、10分のロスはもったいない。
 グイ、中耳炎が長引いているので、耳鼻科の専門医にかかった。初めて会うドクター・スペンサー、無意識にも医者は白人だという思い込みがあり、アフリカン・アメリカンだったのでちょっと意外。大柄で、丸いお顔で、優しい先生だった。とても優しいかかりつけ医のドクター・トメイが相手でも、耳を覗かれると嫌がって泣いてしまうグイが、なんと、左右の耳をそれぞれ2回覗かれても嫌がらなかった。「お!」グイはこの先生が好きなんだ。ドクター・スペンサーは他のどの医者よりも上品で親切な態度。会ったときと去るときに、笑顔で握手してくれた。南部や西海岸の人から見ると、東海岸の人は冷たいという。わたしもその東海岸流に扱われるのに慣れているので、会ったら友好的な態度で握手をして、握手で別れるという作法が身についていない。ドクター・スペンサーは、じゃあ診察は終わりという段になり、一度は退室しかけたけれども、わざわざ「ああ、わすれてた」ってな感じで、握手するだけのために戻ってきてくれた。いい人だー。
 ちなみに、中耳炎のほうはあまりよくない状態。鼓膜にチューブを入れて、耳の中の粘液を排出しやすくしないと、鼓膜の内側の粘液が固まってきて、聴力を失う恐れがあるという。長期的に抗生物質を投与する選択肢もあるけれども、耐性ができるとよくないので、勧めないと言われた。耳にチューブを入れる処置はほんの2分で済むそう。
 繰り返し中耳炎にかかるのは、上の子たちが学校から持ち帰るバイ菌が主な原因と考えられるとか。小学生たち本人はもう大きいので病気にはならなくても、グイは彼らが持ち帰るバイ菌に対してまだ弱いので、一人だけ病気に罹ってしまうらしい。ということで、大きい子たちは外から帰ったら、必ず殺菌作用のある石鹸でよく手を洗うようにと注意された。あとは加湿器を使って、鼻から粘液が排出しやすくしたり、鼻がつまっていたら取り出してあげるとよいそう。