昨日は、トリケラの研究所の大学院で博士課程のお勉強をされているH.A.さんが、フルートを携えて訪ねて来てくださった。トリオ・ソナタを演奏するのに必要なメンバーがそろうなんて、何年ぶりだろう!バッハの音楽の捧げ物などをあわせてみた。H.A.さんは音大受験も考えたほどの実力の持ち主。彼にはあまりなじみのない曲で、しかもたいへん難しい「捧げ物」を吹いているのに、音が常に美しいので感動、楽器は違うけれども、とても勉強になった。わたしはもともといい音が出せないし、特にむずかしい曲を弾くときは、音符を追う余りに、音が汚くても構っていられなくなってしまう。けれども、横で吹いているH.A.さんの音が澄んでいるので、普段気がつきもしない、弓を返すときの音の乱れなどが気になった。
 自分で調子がいいなと思うときは、右手の関節が滑らかに動かせている。でも緊張していたり、長いこと楽器に触っていなかったようなときには手首が固まっている。自ずと、弓の返しがぎこちなくなるし、いい音を出すために適正なプレッシャーが得られる弓の範囲が狭くなってしまうので、全体的には音が汚く、がちゃがちゃとうるさい演奏になる。出したい音が出ないと思うと力をいれてしまうので、これがまた逆効果。必要最低限のプレッシャーしかかけないってのが、修行がいるところ。リラックス大事アルヨ。