「でぱずぃっと」

 「でぱずぃっと」depositは、銀行の口座にお金を預け入れることを言います。銀行口座を開くところまでこぎつけて、いざ使おうとしたときに、銀行の手続きも用語もわからなくて、本当に困りました。ATMに向かってみても、画面に何が書いてあるのかがわからないし、店内に入ってみても、それぞれの窓口の上に書いてある言葉の意味がわからないので、自分がやりたい取引をするのに、どの窓口にいけばいいのかわからないのです。銀行員の雰囲気も日本の感じとは違うので、誰に何を聞いていいのかもわかりません。
 わざわざ並んで、自分の番になってしどろもどろに「入金したい」旨を伝えたら、「でぱずぃっとね、今日はいいけど、次回からは機械でやってよ」みたいにぞんざいに言われて、みじめな気持ちになりました。窓口の女性の態度が”こんなことでアタシの手をわずらわせないで”という感じだったので、窓口で入金するのが、そんなにばかばかしいことなら、よっぽど機械で簡単にできるはずなんだよね〜?
 ということで、いざ機械で初めて入金するときは、それはそれはドキドキものでした。入金手続き用の用紙(お札の大きさ程度の、3枚複写式のフォーム)に必要事項を記入して、いざ、ATMへ。いくつかのステップを踏んで、最後は備え付けの封筒にいれた現金を「ピロン、ピロン」と音が鳴り、ピカピカと光っている細長い口に封筒が吸い込まれていくのを見届けて、取引終了ボタンを押したところで、入金手続きが完了します(しばらく前に、夫はこの口に間違ってカードを差し込んでしまい、カードを一枚オジャンにしました)。
 こんな風に現金を預け入れたのもほんの最初の頃で、今では現金は引き出すばかりです。そのかわりにこの手続きで預け入れるのはチェック(小切手)ばかりになりました。お給料が月に2回、小切手で渡されるので、正直にいって銀行に預けにいくのが面倒です。でもチェックの形で手元にもっていたのでは、使いようのない代物なので仕方ありません。
 お金を支払うのにもチェックは大活躍(暗躍?)。電話、電気、ケーブルテレビは大きい会社なので、直接口座から引き落とすか、クレジットカードを使って支払うことができますが、大家さんへの家賃の支払い、学校での細々とした費用などで頻繁に小切手を振り出さなくてはならないので、これも面倒です。小切手帳を買わなくてはならないのも、けちのわたしの気に入らない点です。今の家の住所が印刷されたチェックも残り少なくなってきました。半年以内に引越す計画でいますが、万が一チェックが足りなくなってしまったら、20ドルくらいかけて新しいのを買わなくてはならず、新しく作ったとしてもそれは長くは使わない予定なので、なんとか手持ちの分が持つように工夫しています。