引越し編2

 NxxxxAmericanの見積もりの人がちゃんと来なかったので、ぜいたくかなと思いつつも今度は日通に見積もり依頼をした。担当の日本人のKさんはちゃんと(というか早目に)来て下さった。さすがだ。ってビジネスだったら本当は約束の時間にきてくれて普通なんだけど、相手がアメリカの会社でしかも引越し業者となると、悪い評判しか聞かないもんね。
 スーツにネクタイ姿のKさん、外見は日本人ビジネスマンそのものだけれども、お話振りは海外在住歴の長さを感じさせた。子煩悩パパさんってところかな。何日も前からちょびちょび手入れをしていても、やはり家の中、居間も寝室もクローゼットの中もきれいにするのは私にはこなしきれず、キッチンには食べ物のかすが散乱し、キッチンに同居している子供の机周辺はゴミ箱ひっくりかえし状態。それでもKさん「うちも3人だから大変です」とニコニコ。散らかっていてオカアサンが恥ずかしい思いをしているのはわかりきっているので、心の中で”ひでーなー”と思っていてもそこでいやな感じをさせないのはさすがだ。
 どんなサービスを提供しているかというお話をうかがってびっくり仰天した。退去後の掃除やら、不要品(粗大ゴミ)の処分、不要品の売買、不要品の譲渡や一時預かり、それに転入先での開梱やゴミの引き取りなど、至れり尽くせり。日本から来て直後だったら驚かないかもしれないけれども、アメリカの引越し会社のサービスを経験しているので、「この王様のような待遇はなに!?」という印象。う〜む、やはり日本はいいな〜。実際に自分でできることはほとんどないものの、わたしもいつのまにか、アメリカのDo-it-yourself的発想に慣らされているんだなー。気に入った家具が見つからないときや、ちょっとした収納スペースがほしいなというようなときに、わたしもパワーツールを使いこなして自分で作っちゃえたらいいなって思うもんね。うちの父が本棚やプランターを作るのを見て育ったのが関係あるかな。
 日系の会社のレベルの高いサービスを受けたいアメリカ人もいるだろうと思って、日本人、日本企業以外の依頼は受けるかとKさんに伺ったら、そういう仕事もするけれども、日本人相手だけで手一杯なので、あまりやりたくないとのお返事。ある時、デュプレックスに住んでいた日本人の引越しをやった際に、隣家の住人が引越しの様子を見ていてこんな(家具をプロテクトしたり、靴をぬいだりして手厚い)引越しは見たことがないと感動。トラックに書いてあった電話番号をひかえておいて、その後自分の引越しの際に日通を利用したとか。
 前の引越しのダンボールを取っておいたのが役に立ち、ダンボールの値段を半分くらいにしていただけるそう。Kさん、お帰りの際、古いダンボールを再利用する場合汚れたりするといけないから、これを使ってくださいとおっしゃって、たくさんビニール袋をおいていってくださった。それにテープも。これぞ日本のサービスだー!!大満足。
 Kさんはニュージャージーから車を飛ばしてロングアイランドの真中付近まで来て下さった。引越し先で日本人の社員の方に搬入を監督していただくサービスをしていただくためには、シャーロットにある日通のお店からわざわざ来ていただかなくてはならない。シャーロットとチャペルヒルは2時間だか3時間だかの距離のはず。でもやっぱり日本人の人にきていただけたほうが安心だなと思う。言葉が通じるかどうかの問題ではなく、セイシティビティーの問題でね。
 コーヒーメーカーではなく、自分でお湯をそそいで淹れたコーヒーをおだししたら、「コーヒー、おいしいですね。コーヒー好きなんですよ」とおっしゃったKさん。最後に車の窓を開けてまで「コーヒー、ご馳走さまでした」と言ってくださったのが嬉しかった。