発表会の当日。いつも通り、支度に時間がかかって、本番ギリギリの、リハーサルの時間が残されているかどうかというタイミングで会場に到着。駐車場に着いて、とにかくティラノ、スコミムス、トリケラを先に追い立てて、わたしは眠りについたばかりのグイとバイオリンをかかえて後の続いた。
 会場は、コールドスプリングハーバーの敷地内のハウスの一室。建物に足を踏み入れたら、スコミムスが演奏していた(鈴木バイオリン教本1巻の鈴木作曲アレグロ)。本番まですこし時間があるかと思ったけれども、席についている人たちが静かにスコミムスに注視しているので、あれ、リハなしで本番になってしまったかとどぎまぎした。スコミムスの演奏はボロボロで、トリケラの伴奏と全然合わない。だ、だいじょうぶか〜?と心配していたら、先生がいろいろとアドバイスをしてくださった。あー、リハーサルでよかったー。続いて弾いたティラノはたくさん練習したかいあって、まともだった。最後に残った5分くらいで、わたしも少しだけ音を出させてもらった。やばい、やっぱり緊張で指が硬直。本番に不安を残しつつ、早々に音だしを切り上げた。
 そのすぐあとに発表会が始まった。1番手はスコミムス。この人は本番に強いらしく、ぴりりと程度に引き締まって、とても上手にアレグロを弾いた。先生もびっくりされたようで「これまでで一番いい演奏だったわね」とのコメントをいただいた。
 ティラノは最近よく練習していたので、本番もよく弾けた。きちんと弾けるだけではなくて、今後はもっと元気よく弾いてもらえたらなあと思った。
 子供の生徒さんにまじって、一人だけ大人のわたしは先生の直前に弾かせていただいた。緊張で曲の途中でぽかっと曲をわすれて、どこから弾きなおしたらよいかわからなくなったら最悪だと思っていたけれども、そこまでには至らずラッキーだった。でも練習のときには経験したことがないほど、数え切れないほど演奏がストップ、一箇所少し前に戻って弾きなおす部分もあった。むむ〜、ボロボロ。やっぱり曲がむずかしすぎたなー。
 本番はだめだったけど、本番めざしていい練習ができて楽しかったので、まあ、よしとするか。発表会ってそういうものだもんね。それに難しすぎる曲をやってみて、力はついたと思う。右手の使い方にいろいろと発見があった。ご指導くださった先生に感謝!