6/29のつづき

 エジプトの展示品にはわたしもトリケラも感動!トリケラは少年の頃に「邪馬台国はエジプトにあった」説(だったっけ?)を唱えたり、ミイラになることに憧れたり(包帯でグルグルまきになってみたいわけではなく、後世の人に発見されてびっくりされたい、恐竜みたいに、という主旨らしい)という”エジプト通”。わたしも特別にエジプトにはまっているわけではないけれども、実物の古代エジプトの文字だとか石像などを目の当たりにすると、やはりじじーんの胸に感じるものがあった。あまりにもコレクションがすごいので、こんなにすごいものが国外に流出していて、エジプトの人は怒っていないのだろうかと心配になったりして。
 絵本を卒業して字ばかりのチャプターブックも読めるようになったティラノは、最近子供向けのミステリーや冒険ものを読んでいて、エジプトのミイラなどの話題にも触れているので、少しはおもしろがってくれるかと期待したけれども、実際はそうではなく退屈した様子。意外にもスコミムスが楽しんでくれた。動物の頭の形をしたつぼなどをみて「あ、あれ、かわいい!」といった調子。「写真をとろうよ、写真!」という両親のリクエストに快く答えてくれた。(ティラノはブスっとして、あまり写真に写ってくれなかった。)
 子供たち全員が気に入ったのは中国の庭園だった。ガラスを通して太陽の光がたっぷりと入る広々とした空間に、錦鯉のいる池があり、「あっかーな!あっかーな!(魚)」と歓声をあげるグイばかりでなく、ティラノ、スコミムスもなかなかその場を離れようとしなかった。わたしは日本の美術と印象派の絵画を見たかった(中世、ルネサンスの西洋画は通りすがりにたっぷり見た)けれども、場所がよくわからないのと、疲れてあまり歩き回れないのとで、とうとうジャパニーズアートにはたどり着けなかった。おやつの休憩を取った後、どうしても印象派はみておきたかったので、ソファで休憩(果ては昼寝に突入した)家族を置き去りにして、一人で19世紀ヨーロッパのコーナーを見て回った。
 「睡蓮」もすてきだったけれども、最近バレエを観るようになったこともあって、作品数の多かったドガが印象に残った。画面の隅にジョウロが描かれており、ダンサーの一人がジョウロの形と同じになるようなポーズを取っているという絵があり、そんな遊びをするものなんだなあと、特に印象に残った。彫像もたくさん展示されていて、同じテーマで、完成されるまでの試作までも見ることができた。作家の苦労というか熱意というか執念のようなものを感じた。
 もともと、大きい美術館の全てを網羅することは諦めていたけれども、日本のものを見られなかったのは残念。それでも、飛行機に遅れるわけにはいかないので、閉館時間の30分ほど前に、ソファで熟睡していた子供たちを起こした。外に出てみると道路が濡れていて雨が降った様子。グッゲンハイムに戻って荷物を引き取らなくてはならないのに傘が無い!とびっくりしたけれども、足を踏み出してみれば、もう止んでいたので助かった。ラガーディア空港までいってくれるタクシーをうまくつかまえられるかと心配したけれども、運良く、グッゲンハイムの前に大型のタクシーが止まっていて、運転手さんが中でサンドイッチの夕食を摂っていた。「家族が美術館でトイレを済ませた後に荷物を持ってでてくるので、それまで数分待ってからだけれども、空港までいってくれるか」と尋ねたら、笑顔でOKの返事が返ってきた。ラッキー。
 ゆったりしたタクシーに乗り、時間にも余裕をもって空港に着くことができたのですっかり安心。これでNYともお別れかー、でも無事に引越し荷物を送り出したし、何はともあれメトロポリタンにも行ったし、しばし大仕事を果たしたような感慨に耽った。
 しかーし!歩き疲れた夕方7時の空港で、思いもよらないアクシデントが!!!
 チェックインのためと思われる列が異様に長い。機械でちょちょいと済ませられるセルフチェックインの機械の前にトリケラが向かうと、わたしたちの前に並んだ男性に向かって制服の女性が「どこへ行くの?・・・その便はキャンセルになったわよ。」あちゃー!わたしたちは大丈夫、だよね・・・?「あなたはどこへ?」トリケラ「RDU(ローリー・ダーラム国際空港)。」「それもキャンセルよ。あっちの列に並んで。」
 こんな夜に飛行機のキャンセルって、荷物かかえて子供連れて、一体どうすればいいの〜〜〜?
 
 




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