6/29の続き

 長い列の最後尾について、どれほどながく並んだことだろうか、ようやく自分たちの番がきて、翌日に乗る飛行機をおさえた。朝11時何分だとか。現地空港に11時半とかに着いてすぐにタクシーに乗れたとしても、引越し屋さんとの約束の10時半には当然間に合わない。どうにかして日通に連絡して、何はともあれ私達が約束の時間には到着できないと伝えないと。そうはいってももう普通の営業時間はすぎているし、携帯電話を持っているわけではないし、事情を説明しようとしても思うように電話もできないのでとてもイライラした。
 わたしは翌朝11時にラガーディアから飛ぶものと思っていたのに、実はラガーディアではなく隣の州のニューアークから飛ぶとわかって愕然。それってどこにあるのか、見当もつかない。でもネットで調べて不安な気持ちを落ち着けるって状態でもないので、「ええい、ままよ!」ってな心境。飛行機がきまったなら、宿泊する場所を確保しようと思うけど、その場(ラガーディア)で入手できるホテルの情報はラガーディア近辺のホテルだけ。トリケラが「先に、明日飛ぶ空港へ移動し、そこでホテルの電話番号を調べて宿泊先を確保する」というので気が遠くなった。
 もうわけがわからない状況なので、トリケラの言うとおりにする。ふだんならわたしがしゃしゃり出て、あーだ、こーだと言うところなのだけど、何しろ夜の時間帯で、わたしの普段の就寝時間も近い。前夜にゆっくり寝ていないこともあって思考停止状態だ。1時間後にニューアーク行きのシャトルに乗ることになった。わたしは子供の見張り役で、トリケラが懸命に日通に連絡を取る。
 シャトルに乗ってもなんだか落ち着かない。子供、とくにもののわかる年になったティラノに、なんで乗れるはずだった飛行機にのれず、夜9時で眠いし空腹なのに食事をとることもホテルのベッドに入ることもできないのか、事情を説明しようと思うけれども、安心できるようなことを一言も言ってやることができなかった。
 シャトルに乗っていたのは1時間ほどだっただろうか、わたしは最後のほうは少しだけうとうととした。
(つづく)




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