iBTについてご報告

 一言で言って、前よりも難しくなっていたように感じます。スピーキングが加わったことを除いても、リーディングのレベルがアップしているように思います。
 過去に2回CBTを受けていて、2年前に受験した2回目は自分でもこれ以上取れないだろうという好成績でした。その時は問題文が短く易しく感じられて、どんなまやかしの選択肢をだされても「その手にはひっかからないよ〜」と思うだけの余裕がありました。今回は各問題文が以前の150%くらいの長さになっていたように感じます。問題も、単語の意味を問う問題などのように、数秒で解答できる問題は少なく、1〜2つのパラグラフを読んで、その意味をつかんでから、長めの文章の選択肢から文意にマッチ(またはミスマッチ)するものを選ぶものが多く、時間切れの心配があったので、じっくり本文と照らし合わせて確信を持って選ぶことができませんでした。しばらく勉強から離れているので、自分の読むスピードが落ちている面はありますが、以前よりも高いレベルを要求されているのは確かだと思います。ちなみに、オンラインの無料の模擬テストは本番よりもレベルが低く、以前のTOEFLと同程度だと思います。模擬テストの感触にだまされないように要注意です。
 リスニングは問題の量が多いのに辟易としました。力不足な分野なので、とても一生懸命集中して聴くのですが、何問、解いてもまだ続く、という感じで本当に疲れました。以前のリスニングとちがって、テキストを読んで、それに基づく講義を聴いて、それからその両方を理解した上で質問に答えるという出題形式のものが含まれ、より現実の大学で必要とされている能力を試すテストになるように工夫されていることが感じられます。でも本当のことをいうと、話し手の英語は標準的なきれいな英語で、問題にでてくる会話が訛っていて聞き取れないということはありません。日常会話に慣れている人には、インストラクションなどはかえって遅すぎるように感じられるほど、丁寧に話されています。テキストと聞き取った内容の両方が解答に必要になるので、どちらについてもキーワードや要旨などをきちんとメモしておくことが大事です。でも書くのに集中しすぎていると話を聞き取れなかったりするので、そのあたりのバランスが難しいと思います。ちなみにリーディングとリスニングの両方が終わるまで休憩がなく、これがまたかなり長い時間なので、トイレには試験前に絶対に行っておくべきです。わたしは試験会場が当日たまたまフットボールゲームの会場になっていて、駐車するのに手間取ったので、余裕を持っていったにもかかわらず、集合時間には5分遅れとなりました。気持ちのゆとりがなく、事務の人もテキト−な感じだったので、つい、事前にトイレに行き損なってしまいました。このままリスニングに突入したらまずい!と思ったので、ヘッドホンの音量を調節する画面がでてきたところで、「音量の調節が終わったら、続行のボタンを押してください」という部分で、続行ボタンを押さないまま大急ぎでトイレに行ってきました。この方法で、解答時間を失うことなく用を足すことができました。心臓に悪いので、おすすめはしません。
 オフィシャルな10分の休憩の後、いよいよ恐怖のスピーキング。自分とは違うタイミングで、しきりのむこうから他人のスピーキングが聞こえてくるので、はっきりいって気が散ります。自分も問題を聞き取らないといけないので、ヘッドホンの中にさらに耳栓をすることができないので、がまんするしかありません。スピーキングは全部で6問。はっきりいってボロボロでした。はじめにリスニングをして、それからそれに基づいた質問に答えるのですが、聞き取ったことをメモするのに集中しすぎて、その内容を自分の言葉で言うだけの思考も時間も気持ちの余裕もありませんでした。メモするのはキーワードとかポイントだけにしておいて、自分の言葉(必ずしも問題中で使用されている言葉ではなくて)で言い換えられるように気をつけたほうがよかったみたいです。わたしは日頃、アメリカ人と話すとしたら、ママ友達と育児の話題について話すことが多いので、アカデミックな内容で、相手の話の要旨をそのまま再現するということについては全然訓練が足りないのです。現役の高校生の方だったら、授業中に先生の話をノートにとったりしていれば、話の要旨をピックアップするのは大丈夫だろうと思います。自分で挙手して質問したり、先生の質問に答えたりしている人なら、そういった内容をマイクに向かって吹き込むのも、特別に緊張せずにできることでしょう。与えられた解答時間で聴いた内容を逐語的に再現するのは無理ですし、要求されているのはむしろポイントをつかんで、相手にわかるように、自分で言い換えた言葉で、与えられた時間内に英語をしゃべるということのようです。スピーキングの試験なので、英語を英語らしく話すことはもちろん大事なのですが、このセクションで試されているのは、相手の話を理解する力、そしてそれを要約した形で発話できるかどうかだと思いました。20秒程度の「回答を準備する時間」を与えられますが、60秒スピークする分をこの時間で英作文する時間はなく、本当に、与えられた情報の整理と深呼吸ぐらいしかできません。予想外の質問がでたときには、わたしはパニクって、「回答を準備する時間」にもうしゃべりはじめてしまい、もう一度録音するタイミングをしらせる電子音がなってさらにパニックになり、60秒間、あーとかうーとか言いつづけてしまいました。ううっ、情けな〜い。
 ライティングは、まあまあ、以前と同じようなレベルだったと感じました。GREのライティングが散々な成績だったので、今回書いたものがどれだけの評価になるか、ちょっと楽しみです。前回受験したTOEFLのライティングの回答よりも、理路整然と書けたように自分では思いますが、なにしろこれも苦手分野なので、どのように採点されるかはよくわかりません。ライティングの二問のうち、一問は与えられた情報を整理して書くだけで、与えられた時間は20分、標準的は単語量は150から225(だったかな?)というものと、もう一問、自分の意見を述べるもので時間が30分、単語数が最低300語というもの。他のセクションよりは時間に余裕があるように感じられ、ざっと書きたいことを書き終わってしまったのに、単語数が目安よりも少ないので、同じ内容でも単語数の多い表現に書き換えたり、表現が豊かになるように適当な副詞を挿入したりといった、見栄えをよくする作業をすることができました。
 以上、思いついたままに書いてしまってまとまりがありませんが、ご参考になれば幸いです。わたしは試験のしくみが変わっていることも知らないといういい加減な受験生だったので、受験し終わった後も各セクションに割り当てられた時間だとか、点数の配分などについて把握できていません。真面目な受験生の皆様は、ETS発行の試験問題集などをご活用の上、万全を期してTOEFLを受けてください。ガンバレー!
 
*追記:North Carolina Central Universityの受験会場ですが、ロングアイランドで受験した、商業用ビルディングのなかの、Prometricのロゴも輝かしいきれいな一室と違い、古い、大学の建物の地味な一角にありました。”TOEFL会場はこちら→”というような案内は一切ありませんでした。ダラダラとしゃべっているブルーカラーっぽい制服のおじちゃんたちに聞いてみて、なんとかエレベーターの場所を教えてもらいました。前に受験した会場にはミネラルウォーターのタンクが設置され、待合室にもきれいな椅子が用意されていましたが、NCCUの会場ではそうした配慮はなされていませんでした。緊張してのどが渇いたり、かぜでのどがイガイガしているような時でも、自分でどうにかするしかありませんので、水やあめ、その他カロリーメイトスニッカーズなど、長い試験時間の合間の短い休憩時間にパクッと口に入るもの(指定の、シューズボックス程度の小さいロッカーに入る程度のもの)を準備しておくとよいと思います。トイレは受験する部屋から1分以内の場所にありました。空調の風が、マウスの位置に固定されている右手にビュービュー吹きつけて「寒いんだけど」と事務の人に言いましたが、「全館冷房で、アタシにはどうしようもないのよ。」温度調節のできる服装で受験しましょう。「コンピュータの具合がおかしい等の事情で事務の人の助けがいるときは挙手してください」という指示がコンピュータ上に現れますが、実際には事務の人は別室へテレビドラマを見に行ってしまうので、自分から受験用のガラス張りの部屋から出て、助けを呼ばなくてはなりません。本当は、IDだけは隔離部屋に持ち込んで、入退室の際にサインをし、入れ替わり受験などの不正ができないように事務員が見張っていないといけないのですが、さすがに南部!というルーズさが、なかなかいい感じでした。




今日も読んでくださってありがとうございます。
TOEFLを受験される方もされない方もワン・クリック!
よろしくお願いします。
Thank you for your patronage!