どうしちゃったの、ティラノ!?

 クリスマスの昨日、我が家にジーザス・クライストくんのバースデイを特別に祝う理由はないものの、やっぱりのんべんだらりとした一日になった。今日になってハタと気づいてみたら、子供たちのバイオリンの練習をやっていなかった。やばい、明日の朝9時半からティラノはレッスンなのに。
 今朝から「練習しなよ、練習しなよ」とせっついていたけど、結局ティラノ本人がそろそろやらなくちゃという気を起こしたのは夕方。「5時になったら始めるよ」というけど、「あなたの練習にわたしもたっぷり1時間つきあわなくちゃいけない。そうすると夕食の支度が遅れて困るんだよ〜」とプッシュしたら、4時過ぎから弾き始めてくれた。やれやれ。
 今週は6日間しかないのに、宿題がとっても多かった。エチュードの1番は音程に気をつける以外に、弓のバリエーション、そして新たにとても早いスピードで弾くという課題が加わった。それに先週は半分しかやらなかった4番の残り半分、その上に6番のエチュードまで。4番の半分の新しい譜読みだけでも楽じゃないのに、6番のエチュードが大変。ティラノの苦手の音程の練習のために、半音の差をはっきりと区別する訓練をさせる曲だ。この曲が長いんだなぁ、また。おとといまでに半分しかできていないのに、今日一日の1時間の練習で終わるわけがない。初めて宿題未消化でレッスンにいくはめになるのかとがっかりしていた。
 結論からいうと、ティラノは2時間45分もぶっ続けで練習した。6番は満足に弾けてはいないけれども、でもとりあえず曲の最後まで音を拾うことはできた。本人が自分で楽譜を読めるように、譜読みの訓練もしなくてはいけないので、曲がわかるまでに余計に時間がかかった。時間を短縮するために、わたしが弾いて音を聴かせる手はあるのだけれども、それではいつまでも自力で読めるようにならない。ト音記号のくるくるが始まるところが「ソ」の音、というところから、一つ一つの音を読み取っていくのに、ものすごーく時間がかかった。でもティラノはヒステリーを起こす事もなくやり通した。いやがって泣いたり起こったりすることもなく、あんまり彼が集中しているものだから、こちらが驚いてしまった。
 毎日1時間バイオリンの練習をさせることについては、子供がかわいそう、1時間は長い、という意見もあって、わたし自身「鬼婆」みたいかなと思わないでもない。でも「ティラノがかわいそう」という純粋な感想を持つトリケラ自身も、小学1年生の時から毎日1時間ピアノを練習していたという事実を思い出した。がんばらせたらかわいそう、といって手を緩めるのは簡単なんだけれども、子供の遊び時間を削ってまでもやらせている事が成果をあげなかったら、それこそ子供がかわいそうだな、と最近は思う。わたしがティラノにつきっきりになっている練習時間中、他の子たちのニーズは無視されている。無意識にでも、そういう母親の愛情の形をティラノがわかってきてくれているんじゃないかな〜と思ったりする。