「てらのーば」

 今日ご紹介する「てらのーば」は固有名詞です。TerraNovaは小中高校生を対象にした学力テストの名前で、McGraw-Hillという会社の商品です。先週一週間かけて、小学2年生のティラノが受験したので載せてみました。
 日本から見たアメリカの教育のイメージはどのようなものでしょうか。わたしはこちらにくる前は「広い場所でのびのび」だと思っていました。今わたしたちが住んでいるのはNY州でも郊外なので、確かにマンハッタンほど狭くはなく、日本で住んでいたマンションよりは家は広いかもしれません。でも子供たちがのびのび暮らしているとは思いません。
 小学生でも4年生のときに州の統一テストがあるので、先生たちはこのテストをとても意識しています。わたしたちのいる学区では、州に義務づけられていないけれどもTerraNovaを受験させていて、ティラノとスコミムスの通う学校では、キンダーガーテンと州テストのある4年生をのぞく全ての学年で実施されました。
 こういったテストの成績が先生達の評価につながるので、先生達はテストスコアに敏感です。何しろ点数が男女別、人種別、親の収入別などの視点から、事細かに分析され、公表されるのです。よい学区にいる親はその分高い税金を払っていますから、当然、その学校の成績がよいことを期待するわけです。先生としては、もちろんテストの出題形式を意識した教え方をするでしょう。
 そればかりではなく、学年相応の学力が身についていない生徒が混ざっていると点数が下がってしまうので、場合によってはそういった子に留年をすすめることもあります。言葉がわからない外国人は、留年の格好の標的です。まだ英語が不自由であるにもかかわらず英語で入園審査を受けさせられたスコミムスは、キンダーガーテンに入るのを一年遅らせてはどうかと勧められました。「20分ほどの口頭質疑のテストの結果、この子は下位1%未満でした。もう一年入園を遅らせてはいかがですか」と。「この子はうんと苦労するわよ。わたしには経験があるからわかるのよ」とまで。実際は、恥ずかしがり屋なのと、完璧主義なところがあって言葉に自信がない場合に間違えたくなかったスコミムスの性格が、得点を妨げていただけなので、反対を押し切って入園させたら(だって幼稚園って私立で、お金がかかるんですもの)、何も問題なかったのですが。
 小学生の時から毎年統一テストを受けさせられていて、しかも先生がそれを意識しているとなると、マークシートで回答できるタイプの問題に教育が支配、それが大袈裟なら、かなり影響されてしまいます。マークシートの問題には、選択肢のどれかに必ず答えがあり、それが見つけ出せれば問題解決です。人生の問題には、答えが複数あったり、答えがなかったり、答えがあるのかないのかもわからなかったりすることもたくさんあるのに。

http://www.greatschools.net/modperl/go/NY
こういうページで学校の成績を見ることができます。ニューヨーク州が表示されていますが、change stateのプルダウンメニューでお住まいの州に変更してください。




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