続編10

 Termiteシロアリのインスペクションが終わった。シロアリはいなかったそうだ。
 お年よりのオーナーがセカンドハウスに使っていたこの家は、はっきりいって、若い人がするようなメンテナンスはされていない。アパート部分、ウッドデッキの構造の欠陥(電話でヴィッキーと話したら、インスペクターはデッキはかなりずさんな仕事だと言っていたそう)は今特定されているから、売り手に修理を要求できるけど(要求を拒否するかどうかはまだ不明)、この先もどんどん大きな問題が出てくるような不安が残る。気持ちがネガティブに傾いているので、この家買わないほうが懸命かもー、という気持ちになる。
 買う、と一度言った家を買わないで済ますことができるのか?実はオファーの最後のほうに、$5000以上の修繕が発生した場合は、この話をなかったことにできるという一文がついている。この金額は任意のもので、この場を仕切っていたエージェントのマーサがこの金額は$5000でいいかと尋ねたときに、それって高いな、$3000くらいが気分なんだけど〜とちらりと思った。でもまあ、それがフツウなのかなと思って、あえてそれを口にしなかった。あの時、$3000にしておいたら、余裕で破談にできると思う。なにしろ、金額が大きくてインスペクターが見積もりを出している2項目が$1500超で、その他に20項目近くも小さい修理が発生している。その上に、今回構造の欠陥も明らかになっていて、部屋の真中に太い柱を立てて補強することが推奨されているので、全体ではかなりの金額になっているはず。業界の契約書に対するの理解の範囲を超えて、わたしたちは雨どいが設置されていない部分に雨どいをつけるように要求している。ずうずうしい要求だけれども、ほかにもいろいろとお金がかかることが事前にわかっているので、家の基本的な機能はなるべく果たすようにしておいてほしい。
 ヴィッキーの見解では、これを破談にするための要件は、

  • 修繕の金額が$5000を超えること、または
  • 売り手が構造の欠陥の修理を拒否すること

ということになるだろうとのこと。雨どいをつけてくれないからといって、「もう買いたくない」というのは、こちらの身勝手ということになり、何らかの責任を負わなくてはならなくなるかもしれない。その場合の話の行く末は、ヴィッキーもアイドンノー状態。
 それとは別の問題が、仮に破談にする方向で動いたとして、ではわたしたちは次にどうすればいいの?ということ。この家と同じ広さの家は、まず同じ価格では見つからない。いや、実は今のわたしたちには大きすぎる家なので、もっと小さい家でも構わないんだけど。今回の家探しで一番大事にしたのはチャペルヒルの中でデューク大学までなるべく時間をかけずに行かれる場所にあるということ。初めて自分のラボを立ち上げて、とある情報筋によると”中小企業の経営者のように”忙しいというポジションにつくわけで、これまで以上に労働が苛酷になると予想されるわけで、通勤はなるべく楽にしてあげたい。(今以上に過酷ってもう死んでしまいそうだけど・・・。)今手をつけている家は17分ほどなので、チャペルヒルの中では結構いいほうだ。もっと大きな庭があってもうすこし家が小さくもう少し値段が安い家もあるのだけれども、通勤が20分を超えるのは避けたいところ。そういう意味では、この家も手放してはおしい部類なのだ。破談にしたほうがいいのか、しないほうがいいのか、自分たちにもわからな〜い!!
 さて、シロアリのインスペクションをしてくれた人によると、Crawl Spaceクロールスペース(床下の、配線配管が通っている空間)がかなり湿気っぽいそうで、これは問題だというコメントがレポートについているらしい。なんといっても、家の正面側に雨どいがついていないのが一番の原因だ。雨どいをつけていないのは、簡単に防げる湿気の被害を予防していないことになるのでどうしてもつけてほしいという、我々の主張をバックアップしてくれるコメントだ。やったね。
 雨どいに関しては、「それを頼むのは無茶だ」という姿勢だったヴィッキーが、無茶でも何でもわたしはつけてもらいたいと思っていることに対して、だんだん理解を示してくれるようになったと思う。これをやらないと、このバイヤーが破談の方向にむかうというニュアンスをヴィッキーが(彼女自身納得の上で)相手方の不動産エージェントに伝えてくれれば、売り手も考えてくれるのではないかと期待する。そもそも、それは要求する権利があるとかないとかは、素人のこちらには全然わからないのであって、エージェントがそのへんの塩梅をしているのが実態。ヴィッキーがうまくあちらのエージェントに「これはやらないとだめだ」と思わせてくれるといいんだけど。また家探しをするのは大騒ぎだし、全部の修理をやってくれるのなら、買うのが自然の成り行きかなー。でもまだ欠陥が隠されていそうで不安、というように気持ちは右へ左へとゆれる。売り手が修繕を拒否すれば、もういいや、当面は賃貸にしようとかって、話の方向がはっきりするんだけどね〜。