引越し編1

 引越し屋さんの手配をしている。新しい勤務先のデューク大学がなじみの業者を紹介してくれていて、よくできたパンフレットが好印象だったので、その業者XXXXX Americanに引越しを頼むつもりでいた。今日は担当者が見積もりにくる予定になっていた。
 昨日、さる信頼できる親切な情報筋から、この業者の悪評判を聞いた。ご本人の実際のお引越しの経験で、この業者での引越しは家財のダメージがひどく、荷物の一部が遅れて到着したりしたという。それでは以前に利用して安心感のある日系の会社にしようかと思いつつも、ともかく予約は今日だからと、不要品の処分を考慮にいれつつ家の片付けをした(何しろ、ふつうのお客さんには見せないクローゼットの中とか見られちゃうからね)。
 12時から1時の間にくるという約束だったのに、だれもこなかった。1時を回って「でたよ、アメリカじ〜〜〜ん。電話もしてこない」と幻滅したところ、1時15分頃に業者からの電話がはいった。「約束の時間に遅れているけれども、もう20分ほどすると彼は到着するはずだから。」もうつくはずだ、ではなくて、あと20分もかかるのか。もう頭の中では、どうやって担当者を叱ってやろうかと英作文。
 ともかくやりかけている洗濯を進めようと思い、地下室へ降りた。外に白い車が止まったように見え、もうすぐくるかなと思ったけれどもなかなかピンポーンが鳴らない。へんだなと思ってドアに近づいたら、あれ、名刺がはさんである。あらら、どうやら地下に降りている間に来ていたらしい。
 かなりがんばって掃除したのに、見積もりがお流れになってしまった。肩透かしをくらった感じ。数分後に業者の本社から電話が。「・・・あのう、今日は明らかに約束の時間に遅れてしまったみたいで・・・」と女性が話始めた。「あら、ごめんなさいね。どうもベースメントに降りているときに来たみたいなんだけど、その人名刺だけ置いていったみたい。」そういい終わったあと、前もっていやみの言い方を検討していたのが奏功して「どうして今日は遅れたのか知っている?」と苦情を切り出せた。女性は「わたしにはぜんっぜんわからないわ。」「あのさー、今日下見に遅れたってことは、荷造りの作業員も当日のトラックも遅れる可能性が高いと思われても仕方ないでしょう。」やった、英語では言いたいことが言えなくて後悔ばかりしているわたしにしては、かなりちゃんと文句を言えた!女性「それはありえないわ。約束する」と低く自信なさそうな声で、かろうじて返事をした。続けて「もう一度アポをとるためにxxx-xxxxのキャシーという人に電話して。」なんだって、わたしのほうから電話しなくちゃいけないの?するわけないじゃん。
 情報筋からの前評判通り、典型的なアメリカ人のビジネスという印象。名刺を良く見たら、担当者のオフィスはうちからほんの15〜20分の場所にあるではないか。約束の時間を過ぎてから、あわててこちらに向かったのではないか。ふざけてるなー、もう。この業者はもうやだけど、次を探さなくちゃ。